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- コラム
- 2025.09.24
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商品マスター整備のすすめ:未来の自分を救う、小さな工夫たち

「とりあえず登録しておこう」
「あとで直せばいいや」
「あれ、この品番前と違わない?」
そんな些細なことが日々の業務効率をじわじわと削っていく――。
商品マスターの整備は、つい後回しにされがちですが、日々の業務の中で蓄積される“ちょっとしたズレ”が、やがて大きなトラブルにつながることも。
商品マスターとは、単なるデータベースではありません。企業の情報資産であり、現場を支える“裏方の要”です。そしてその整備がしっかりしているかどうかで、未来の自分の業務が“楽になるか”“苦しむか”が決まってしまうのです。
今回は商品マスターの整備についてご紹介します。未来の自分たちのために、今こそ商品マスターを見直してみませんか?
商品マスターとは?
商品マスターとは、商品に関するあらゆる情報を集約したデータベースです。商品名、商品コード、説明文、価格、画像、カテゴリ、JANコードなど、販売する商品に関する情報が記録されています。
商品マスターが整備されていると、以下のようなメリットがあります。
- 商品登録作業の効率化
新商品を登録する際に、必要な情報をスムーズに入力できます。 - 検索性の向上
顧客が商品を検索しやすくなり、購買意欲を高めます。 - データ分析の精度向上
売上分析や在庫分析など、様々な分析を正確に行い、効果的な販売戦略を立てられます。 - 人的ミスの削減
商品情報の誤入力によるトラブルを防ぎます。 - ブランドイメージの向上
一貫性のある商品情報を提供することで、信頼感を高めます。
つまり、商品マスターは、販売運営の効率化、売上向上、そして顧客満足度向上に繋がる、非常に重要な基盤なのです。
商品マスターに必要なのは「思いやり?」
思いやりから始めるルールこそが未来の自分たちを救う
たとえば商品コード。数字だけの羅列では誰も読み取れませんが、「ABC-001-BK」ならブランド・品番・カラーが一目瞭然。命名ルールを統一しておけば、チームの誰が見ても迷いません。
サイズ、素材、色、分類――項目が増えるほど億劫に感じるかもしれませんが、その属性情報が在庫検索やマーケティング分析で威力を発揮します。登録のひと手間が、後工程の時短になるのです。
コード附番の代表的なパターンと特徴
①独自採番
ブランドや商品カテゴリ、カラー・サイズ・量などを複数ブロックに分けて管理する方式。
【メリット】
視認性が高く、ピッキングリストなど現場でも理解しやすい。
【デメリット】
略号(例:BK=黒、BL=青)を誤解すると誤認が生じやすい。桁数ルールを決めないと統一性が崩れる。
②単純連番
マスタ登録順に番号を割り振るシンプルな方式。
【メリット】
附番ルールがシンプル。登録順になるため運用上、時期が把握しやすい。
【デメリット】
コードを見ただけでは商品が分からない。
③JANコード(GTIN)管理
発番事業者でなければ利用できず、維持管理にコストがかかる。メーカー向けの方式。
【メリット】
小売り向けとの共通コードとして利用でき、システム間の連携が容易。桁数が基本的に同じで、バーコード化にも適している。
【デメリット】
コードを見ただけでは商品が分からない。維持コストがかかる。
商品コードの整理が生む「検索性」と「分析力」
商品コードには大きく分けて 品番 と SKU という考え方があります。
- 品番・・・色やサイズの違いを含まない、商品の基本単位
- SKU(Stock Keeping Unit) … 色・サイズ違いごとの在庫管理単位
この2つをどう整理するかによって、集計や分析のしやすさは大きく変わります。
たとえば、商品コードに「品番+バリエーション(色・サイズなど)」を組み込んでおけば、検索や在庫確認、販売分析がスムーズになります。
さらに商品マスターは、MD(商品企画)部門だけでなく、倉庫、コールセンター、問い合わせ窓口など、社内のあらゆる部署で利用されます。仕様や商品画像まできちんと登録されていれば、各部署の業務効率は飛躍的に高まり、問い合わせ対応や出荷作業の正確性も向上します。
継続的なメンテナンスも重要
商品マスターは、一度作って終わりではありません。常に最新の情報に更新し、継続的にメンテナンスを行うことが重要です。
- 新商品登録時は、商品マスターの情報を必ず更新しましょう
- 商品の価格や在庫数が変更された場合は、すぐに情報を修正しましょう
- 定期的に商品マスター全体を見直し、情報の誤りや不足がないか確認しましょう
Excelでの管理に限界を感じたら?
始めはスプレッドシートでも十分ですが、データが増えるとミスや重複も起こりがち。ユニークIDの自動発番、履歴管理、部門間の連携が必要になったタイミングで、専用ツールの導入を検討してみるのもひとつの手です。たとえば在庫管理ソフトやERPは、商品マスターを軸に業務全体を滑らかにしてくれます。
未来の自分へ、ちょっとした配慮を
商品マスター整備は、地味ですが確実に“効く”
目の前の効率よりも、未来のトラブルを回避するための布石だと思えば、少し愛着すら湧くかもしれません。
小さな工夫の積み重ねが、未来のあなたの「ありがとう」に変わる。そんな仕事、ちょっといいですよね。
自社で商品マスターの管理が難しい場合は、アウトソーシングも有効な手段です。
プロに委託することで業務を効率化できるほか、顧客満足度の向上にもつながります。商品マスターにお悩みでしたら、ぜひ当社へお問い合わせください。