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  • コラム
  • 2025.12.19
  • 【保存版】販売可能数クイズ!在庫ロジックの考え方を例題付で分かりやすく解説

あなたの在庫は今何個売れるのでしょうか。
「販売可能数」は倉庫の在庫数だけで決まるわけではなく、出荷待ち・入荷予定・安全在庫といった物流要素に加え、店舗によってはキャンセル率・予約数・需要予測といった販売データ要素も加味される時代になっています。

ECや通販ビジネスの現場では、この動的な数字である“販売可能数”が販売・システム双方で重要な数値となります。
しかしその“動く数字”がどのように増減しているのかは、システム構築の際に整理するのが難しいポイントになります。

このコラムでは、販売可能数がどんなタイミングで変動し、どんなロジックで算出されるのかを、クイズ形式で楽しく学べるように構成しました。
初級編では基本的なロジックを、上級編では複数の条件が絡む“実務レベルの思考力”が試される問題をご用意。

☑ 在庫管理に関わる方
☑ 通販システムの設計・運用に携わる方
☑ ロジック好きな方にもおすすめ!

「なるほど!」と思える瞬間を、ぜひ体験してください。
あなたは何問正解できるでしょうか?

第1問(初級):受注済みの考え方
販売可能数はいくつになる?
倉庫内実在庫数:100個
受注済:30個

【A】70個になる
【B】100個のまま(まだ出荷していない)
【C】130個になる(実在庫+受注済)
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正解:【A】70個になる
「受注確定=在庫引当済」なので、販売可能数は70個に減少します。

販売可能数は“出荷前に”動く点がポイント。WMSと受注管理の連携タイミングがズレると、他チャネルで二重販売が起きる典型パターンです。

第2問(初級):入荷予定数の考え方
販売可能数はいくつになる?
販売可能数(前問まで):70個
入荷予定:50個(発注確定)

【A】70個のまま(まだ届いていない)
【B】100個まで(予定分は一部だけ加算)
【C】120個に増える
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正解:【C】120個に増える
入荷予定が確定しているなら販売可能数に加算可能です。

ただし、ポイントは販売可能数に「いつ加算するか」のタイミング。発注が確定していても、実際に出荷可能になるまでにタイムラグがある場合は、その間に在庫が不足するリスクがあります。
例えば、
・入荷が翌日朝なら「今日中の販売」には反映できない
・入荷が未確定(見込み発注・納期未定)なら販売可能数に含めない
・WMSと連携して「○日○時以降に販売可能」と制御するのが理想

このタイムラグの管理も制御する仕組みが、ECシステムの“地味だけど超重要”な設計部分です。
「在庫が来るタイミング」=販売できるタイミングを正しく扱えるかどうかが、顧客満足と欠品防止を左右します。


第3問(中級):返品の考え方
販売可能数はいくつになる?
販売可能数(前問まで):120個
返品:10個(内訳:A品 6個/B品 3個/検品待ち1個)

【A】全部戻す → +10個で130個
【B】A品のみ加算 → +6個で126個
【C】検品後に全て反映 → 一時保留
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正解:【B】A品のみ加算 → +6個で126個
再販可否によって扱いが変わります。

  • A品返品:即加算
  • B品返品:アウトレット枠で別管理
  • 検品待ち:販売可能数から一時除外

この段階で販売可能数=126個。
ここを“10個戻ったから+10”としてしまうと、売り越しが起こる可能性があります。
返品と販売可能数の関係性は別のコラムでも掲載しております。

参考
【後編】売上を最大化する在庫管理術:販売可能数を正確に算出する方法


第4問(中級):安全在庫の考え方
販売可能数はいくつになる?
販売可能数(前問まで):126個
安全在庫設定:10個

【A】116個に減る
【B】126個のまま(安全在庫は別枠)
【C】136個になる
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正解:【A】116個に減る
安全在庫は“販売可能数を減らすためのバッファ”であり、欠品を防ぐために確保しておきたい最低在庫数です。
セール時期や繁忙期には、あえて売りすぎを防ぐ設定が行われます。
「売れる=売っていい」ではなく、「売っていい=販売可能数」が正しい考え方です。
また販売後に故障率が高いことが分かり、安全在庫数を一時的に増やすケースもあります。

第5問(上級):予約販売の考え方
販売可能数はいくつになる?
在庫:0個
入荷予定:200個(来週入荷)
既に予約受注済:150個

【A】0個(まだ入荷していない)
【B】50個(入荷予定 200 - 予約 150)
【C】200個(予約数は除外)
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正解:【B】50個(入荷予定 200 - 予約 150)
「予約販売」は、販売可能数ロジックの中でも特殊なパターンです。
実在庫がなくても販売可能数を確保できる“未来在庫”ですが、予約済み数を除外しないと、実際の入荷時に売り越しが発生します。
予約在庫を扱う場合、「入荷予定」「予約済」をそれぞれ別ステータスで管理し、慎重に扱うことが大切です。

最終問題(実務応用)
あなたの会社の人気商品「Xシリーズ」について、現時点の情報は以下の通りです。

No.要素内容
倉庫内実在庫数80個
01受注済(確定)40個
02入荷予定60個(確定発注済み・明日入荷予定)
20個(納期未定・仕入先確認中)
03返品在庫5個(うちA品3個、B品2個)
04安全在庫10個

さて、この時点での販売可能数はいくつになる?
【A】93個
【B】95個
【C】113個

答えを見る
正解:【A】93個

販売可能数を計算するロジック分解

  1. 基礎式(倉庫在庫ベース)
    実在庫 80 - 受注済 40 = 40個
  2. 入荷予定分の加算(確定分のみ加算)
    確定60個は明日入荷予定で即日出荷体制あり → + 60個
    未確定20個は納期未定のため、加算しない
    + 60 → 100個
  3. 返品在庫(再販可能A品のみ)を加算
    + 3 → 103個
  4. 安全在庫(販売不可分)を減算
    - 10 → 93個

ポイント解説

  • 入荷=販売可能ではなく、「出荷可能になった時点で販売可能」。
    入荷予定を販売可能数に加算する際は、出荷可能タイミングを基準にすることが重要です。
  • 安全在庫の目的は「安定稼働」。
    販売ロジック上の“遊び(余裕)”を作るため、最終的な微調整が現場判断で入ることもあります。



販売可能数は「瞬間の数字」ではなく「運用の哲学」

販売可能数とは、単なる在庫の残数ではなく、物流・調達・販売のタイミングをつなぐ“信頼の指標”です。
発注確定・入荷予定・返品・安全在庫・予約・タイムラグ——それぞれの要素がリアルタイムで変化する中で、どの瞬間に「売っていい」と判断するかは、企業の在庫哲学そのものと言えます。

“今、何個売れるか”を正確に管理できる企業ほど、顧客対応のスピードも、販売機会の最大化も実現できます。
数字を追うだけでなく、「数字の裏にある時間とプロセス」を意識することが、真に強い販売管理の第一歩です。